スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

最適成長理論とshooting method その2 

前回,最適成長理論をshooting methodで数値計算するアルゴリズムを書きました.

最適成長理論を学んだ人はわかると思うのですが,
位相図をみると定常状態が鞍点になっていることがわかります.
鞍点は,馬の鞍をイメージしてつけられた名前です.
鞍を考えるとわかると思いますが,たとえば鞍の端にボールを
乗せると,ほとんどの場合は,転がって鞍から落ちてしまいます.
しかし,ある一つの経路だけは,鞍の中心辺りにとどまります.
最適な経路以外は,定常状態にはある程度近づくものの発散経路に乗ってしまう.

最適成長のモデルを解くとは,この唯一の最適な消費の経路を
見つけ出すことになります.
理論的には,関数空間で解関数を見つけるという作業になるのだと思います.

これを数値計算する際の,ひとつの方法が前回やったように,
いろいろなところにボールを追いて,鞍の上をころがし,
もっとも定常状態に近づく経路を「狙い打つ」という手法でした.
http://kerso.blog52.fc2.com/blog-entry-38.html

ただ,良く考えて見ると,この唯一の解以外はすべて発散経路
ですから,
見つけるのが多少困難であることが予想されます.
特に応用を考えて状態変数が2つあるようなケースだと余計に難しい.
2変数についてShootingするとなると,次元が2次元になりますから,
プログラミングが非常に複雑になります.

こうした問題に対して解決策があります.
それは次のように考えて見ることです.
時間通りに進めば発散経路であるということは,
逆に定常状態からスタートして,時間を遡れば,
収束する安定した経路に乗っているということです.
"backward shooting"とでもいいましょうか.

よって,考えられるアルゴリズムは以下のようになります.

1.定常状態の周りで,1変数または2変数についてグリッドを作ります.
2.この格子の各点を初期値として,最適成長理論のモデルで,
時間を遡って計算します.
3.資本ストックの初期値にもっとも近い値となる格子点を選択します.

注意としては,
定常状態から近ければ近いほど,
同じ時間で遡るのに資本の変化が小さくなるということです.

ですから,資本ストックKが初期値に到達するためには,次の2パターンを考えましょう.
1.遡る時間を一定とすれば,定常状態周りのグリッドの大きさや細かさについて
すこし試行錯誤をしてみる必要があります.
2.逆に定常状態周りのグリッドの大きさや細かさを一定とすれば,
遡る時間について,試行錯誤して見る必要があります.

以上,backward shooting methodでした.
この手法のほうが,安定的なパスにおいて最適解を探すことが
可能になりますので,より見つけやすくなります.


コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://kerso.blog52.fc2.com/tb.php/65-90e53c98

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。