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「統計数字を疑う」を読む 

統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?
(2006/10/17)
門倉 貴史

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統計リテラシーってのは,統計をみるときのコツのようなものだと思えばいいと思う.
この本は,そういう統計リテラシーを身につけるための本といえる.

この本の貢献は3つ.
1.基本的には,専門家には良く知られていることを紹介してくれているだけなので,特別新しいことは少ない.とはいえ,こういう新書という形で,かつたんなる統計解説ではなく,その統計が使われることの特徴などを解説してくれいてるのは貴重.そこがこの本の貢献の一つ.

2.シンクタンクによる経済効果の分析手法を紹介してくれて,そのありかたに疑問をなげかける.ときに,金融機関の広告塔としてのシンクタンクの場合,いかにマスコミに取り上げられるかが重要となってくるらしい.そのため,マスコミ受けするような分析(あるいはそういう結論がでるような分析)をしがちだったり,さらにはマスコミに接待をするようなケースもあるんだとか.日本の民間シンクタンクが,いまいち使えない理由が良くわかるw

3.3つめのこの本の面白いところは,地下経済(アングラ経済)を取り扱っているところ.
実際,アングラ経済ってのは日本を含めどこの経済にもある.とくに途上国の場合には,
いわゆるインフォーマルセクターという形で,GDPの多くの割合を占める.
インフォーマルってのは,フォーマルでないということだから,かならずしもいわゆる犯罪とは結びつかない.ようするに政府の許認可を得ていない商売ということ.政府の規制が厳しかったり,あるいは古くて使い物にならなかったり,あるいは役人が許認可のたびに賄賂を求てきたりするっていう,非効率があれば,人々はインフォーマルセクターとして行動するようになる.


新書で,これだけの濃い内容がえら得るのはお得.
しかし,これは出版社の問題と著者の問題がまざっているように思うけど,いろんなところで細かい問題が不正確だと思う.
ひとつは,数式の出し方がとても不親切.まず見栄えが悪いw.p29にある幾何平均の式などは最悪だ.texを使えとは言わないものの,この書き方では,もし誰かが計算してみようと思ったときに,誤解を生みやすく再現可能性が薄い.
他にも,p105に産業連関分析にもとづいた波及効果の行列が書かれているが,いくつかの行列がまったく定義されていない.これでは解説自体に意味がない.だったら,この数式なんか無いほうがましだ.
他にも,こんな説明がある.簡易生命表を使って,平均余命を求める解説.

「たとえば,三〇歳の平均余命は,30歳時点の生存数に30歳以降の生存年数を掛け,足し合わせたものを,30歳時点の生存数で割ることによって求められる.」

って,この計算じゃあ求まらないでしょ.意味がわからん.
こういう細かいところでも,解説するなら正確にやってくれなきゃ,とてもじゃないが統計リテラシーは身に付かない.

それでも,プロのもつ統計に対する視点を,新書で広く紹介してくれるという意味で,オススメの本.もはやBOOKOFFで手に入りますw

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