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”史上最悪の殺人教師” 

こんな教師を知っていますか?

 家庭訪問で,曽祖父がアメリカ人であることがわかると,その教諭は,「血が混じっている,穢れている」という内容のことを言った.そして,アメリカ批判をまくし立てる.
 その後,生徒に対する虐待が始まる.耳を引っ張る「ミッキーマウス」,鼻をつまんで振りまわす「ピノキオ」.生徒は耳が切れ,鼻から出血してしまう.「血の穢れている人間は生きている価値がない.早く死ね」と自殺を強要し、男児が自殺を図ったこともわかった.
 保護者の抗議で学校側は,体罰を認め,停職6か月の懲戒処分.しかし男子生徒はPTSDを発症してしまう.両親は、教諭と福岡市に損害賠償を求め提訴。550人に及ぶ大弁護団が結成される.法廷の場で、”史上最悪の殺人教師”が裁かれる.

――はずだった。



でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相
でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相福田 ますみ

おすすめ平均
starsメディアが犯罪者をつくり出す怖さ
stars淡々と書いているところがよい。
starsマスコミが作り出した冤罪
stars平気で嘘をつく親。それを無条件に信じるメディア
starsモンスターペアレンツ

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「でっちあげ」 福田ますみ 新潮社

を読む.


 以前にネットの書評で読み気になった本.モンスター・ペアレンツという言葉が最近話題ですが,ここにでてくる親がまさにそれでした.そして教師本人,学校の事なかれ主義,教育委員会のずさんな調査,ろくに調査もしないマスコミの結論ありきの決め付けた報道.こうしたいくつもの問題が重なり,”史上最悪の殺人教師”は創り上げられてしまったのでした.

 被害者としての親の言葉を,事なかれ主義で争うことなく認めてしまう学校側の態度.そしてこうした両者の態度から,マスコミは,ろくに調査もせず,被害者側の親の言葉を盲目に信じてしまう.

 結果,一番被害を受けてしまったのは生徒達であったことは間違いない.”史上最悪の殺人教師”に仕立て上げられてしまった教師も,もちろん被害を受けている.しかしそうなってしまった原因のいくつかはこの教師の事なかれ主義にもあったといえそうです.学校という組織に属している以上,立場上の致し方ない側面があったことは僕も理解できます.しかりありもしない事実を認めてしまうことは,論外でしかない.

 問題はいろいろなところにある.特にマスコミの責任は思い.思い込みによる調査,自ら調査せず他のマスコミ報道に乗っかった調査.こうしたバイアスがバイアスを生み,真実の追究とは程遠いところにあったように思う.

 この本は,まさに真実を追究することに徹底している.事実を順を追って正確に記述し,とても丁寧に書かれている.あまりの内容に,一気に読んでしまいました.

 しかし,怖いのはモンスター・ペアレンツ.そしてマスコミ.特にマスコミ報道には気をつけたい.とはいえ,いわゆるメディア・リテラシーをつけるのは本当に難しい.記事に書かれていること,書かれていないことから,その事象の背景や記者の意図するところを読み取っていかなければいけないと,改めて思いました.

 最近では,そのマスコミを監視できるインターネットが期待されているものの,ネットの情報もマスコミ情報がやはり多くなってしまう.最近でも”痛いニュース”で取り上げられたニュースとしてこんなのがある.

高校生、電車内で拳銃型ライターを乗客に向けて遊ぶ→注意した巡査長、高校生を平手打ちし逮捕される…横浜
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1027013.html

しかし,事実はこちらでした.

「注意でなく因縁つけ」高校生殴打、神奈川県警が追加会見
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000012-yom-soci

このケースでは真相がすぐに明らかになっている.どこにもモンスターがいなかったからでしょうか.ネットの監視もまた,マスコミ報道に依存している限りは,あまり監視能力を持たないかもしれません.
 もちろん,きちんとした一次情報を流してくれている人もいます.電突なんてとても面白いネタをがんばっている人もいますね(これはこれで真に受けるわけにもいかないけどw).

それにしてもメディア・リテラシーという言葉.言うのは簡単だけど,自分で実践するのは難しいですね.
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